まきくま山

まきくま山の備忘録。 山歩き・美味しいもの・愉快な仲間


最初から読む人は
前夜編
北岳編


8月1日(火)テン場の朝は早い。
3時頃から目を覚まし、テントから顔を出して星を眺めたりしてすごす。
4時には出るつもりだったのに、いつものぐずぐずぐせで、4時をだいぶ過ぎて出発。すでにヘッドランプは不要な明るさだ。
富士山
クリックで拡大。 富士山が…… ふーっ と大きく息を吐いてみる。
テン場も十分ステキなご来光場なのだが、少しでも高いところに行って、少しでも大きな朝日を見たい。気持ちのよい尾根をぐいぐい進みながら壮大なショーを楽しむ。こういうのって、ほんとはじっと動かずに見るほうがいいのかなあ。なんか、もっといいところがあるような気がして、じっとしていられない貧乏性な まきくま。

夜明けのショー1
クリックで拡大  大きな北岳。左肩に、いかにも小ぶりな鳳凰。手前の尾根のシルエットがきれいだ。この同じ瞬間をいろんな山のいろんな頂でおんなじようにどきどきしながら眺めている人がいるんだろうな。

夜明けのショー2
クリックで拡大 雲があるので、一瞬一瞬光の様子が変わる。どの一瞬も逃してはいけないような切迫した気分になる。なんでもうちょっと、ゆったり見てられないのかな。せっかくの幸せな朝なのに、あせあせ、どきどきしてる自分がおかしい。

夜明けのショー3
あ、この瞬間。
ふーっと、真っ白になる。

中白根山
陽が完全に登ると爽快な青空が広がった。ラッキーだ。

だが、しかし、だ。まきくまは、このあと、この幸福な稜線で世の不条理をしみじみと感じることになったのである。
不条理とは、    このスカッと明るい空のもと、ちょっとお間抜けなまあるい頭を見せている写真のピークのことである。
その名を中白根山という。
間ノ岳と農鳥岳の間。その名のとおりの中白根山である。
ガイドブックには、朝日に輝く北岳を眺めるのに絶好のポイントとある。このピークに立ってみて、驚いた。なんと、標柱によれば

標高3055メートル  とある。

いいですか、3055メートルですよ。正真正銘の3000メートル峰なのに、私はここにこんな山があるとは今の今までしらなんだ。もしかして、世の中のだれも気に留めていない山なのではないだろうか。だって、ここを歩いた人1000人いたとして、ただのひとりでも「私はこの週末中白根山に登りました」などと言ったりするだろうか。
なぜに、この縦走は白峰四山ではなく、白峰三山なのか。

3055メートルといったら、日本の山でいったい何位なんだろ、と思いいま手元にある山岳標高ベスト100(ヤマケイ山の便利帳2003 今年の買えよ っていうツッコミはなしね)を眺めてみるに、

14位御嶽山 3067メートル
15位農鳥岳 3051メートル だって。

えーーーーーっ?
無視、  無視、  無視ですかぁ?
嗚呼 無情 なのである。
なんていったらいいのかな、そこそこきれいなのに、超美人のロビ姉のせいで、ちっとも注目されないまきくま のような。 そんな 感じだろうか? なんか、あんまりではないだろうか。

よし、この山を私の縦走記録の中心にすえることにしよう

というわけで むりやり斜めってまでも セルフ撮りしてみる。心なしか表情にへんな気負いが見られる。
中白根頂上
祝・中白根山 登頂 2006年8月1日

ひとりで憤慨しながら歩いていたら、もっともっとすごい不条理に気がついてしまい、いてもたってもいられなくなる まきくま。
あの、このいまたってるところも もしかして3000メートル以上あるんじゃないだろうか。いや、当然ある。ああ、なぜ、たまたま地面のつながりのちょっとしたピークじゃなかっただけで、なぜ、ただの地面として扱われている、この地面は、日々何を思っているのだろうか。

あーーーーっっ、だいたい、いまここにこうして何気に立ってるけど、ここが3000メートルキリ標高だったら、、どーする??? きゃー。

興奮してきた。

きりがないので、地面の標高についてはちょっとおいといて、花など見ることにする。

クモマミミナグサ
クモマミミナグサ
朝日に輝く花はきれいだ。この花たちは、誰がいちばんか なんて思ってないモンね。そう、ナンバーワンより、オンリーワンなのよ。
(お前は槙原か? あ、まっきー つながり って またここで、興奮してしまった)

なんてったって山の魅力は晴れた早朝の稜線歩きだ。ちっともつらくないし、暑くないし、楽しくって仕方ない。
間ノ岳へ
ちいさなピークをいくつかこえ、間ノ岳へと突き進む~♪
崖の花畑
左は切れ落ちた崖。大きなカール地形も見られる。どこもここもお花だらけだ。
チシマギキョウ
毛むくじゃらのチシマギキョウ。朝露が光って最高の瞬間だ。

スミレ
珍しいスミレだったらいいのにな。ってうそうそ。キバナノコマノツメでなにが悪い! 

ミヤマクガガタ
ミヤマクワガタ。ちいちゃいけど、めっちゃ可愛いです。参りました! 

さて、この山旅ではさらにもうひとつ要チェックのものがあった。
地面の組成と気候によって作られる模様、構造土である。
構造土この見事なしましまに うっとり
これも、前回あげた小泉武栄さんの著書で学んだもの。この地面の下にある永久凍土と季節の移り変わりが、長年かかって作った模様だ。自然の力、必然の力を感じる。

このあたりからしずかにガスがわいてきた。あっという間に展望が閉ざされ、ただただ真っ白な道を進む。
間ノ岳頂上につくころは、足元しか見えない状況に。
間ノ岳頂上
ガスガスの間ノ岳頂上
だだっ広い頂上はガスの時には道迷いに注意とガイドにあった。岩にはしっかりとペンキマークがあって、丁寧に登山者を導いてくれている。完全に日差しがなくなった頂上はとても寒く、雨具を着込んで30分以上粘る。が、一向に晴れる気配がない。
あの幸せな時間は朝だけだったのか……。
後から来た男性が、「今日はもうだめだよ。こうなったらもうだめ」と、ダメ押しをだしまくる。
なんだよ~、そんなふうに言わなくっても……。
反感がむくむくと湧きあがる。いかにもベテランな山やさんだから、きっとそうなのかな、と思わせる力があって、余計にむかつく。
「お先に~」さっさと歩き出す。あーあ、なんか損した気分だな。
間ノ岳頂上からはぐんぐん下る。南はひとつひとつの山が大きい、とはよく言われること。こんなにくだっていいのか、と思うほど下る。
と、なんだかだんだん明るくなってきた。
ほどなく、すぐ後ろからざっざっざっという靴音。さっきの男性が追いついてきた。ふーん、けっこうはやいじゃん。

と思ったら、ぬかされ、

あっと言う間にはるかかなたに行ってしまった。

すげぇ。

でも、はるかかなたの人が見えるくらいになっている。
ふん、ほら見ろ。ちゃんと晴れるじゃん。
そして、ふと右を見ると自分のいる尾根と平行して尾根が走っている。
二重山陵上
クリックで拡大 自分が二重山陵にたってるんだ!
間ノ岳の二重山陵の規模は北岳の比ではない。この雄大な地形の成り立を考えると、どーんと大きな波にのみこまれたような、不思議な気分になる。
最下降地点に農鳥小屋が見えてきた。
農鳥小屋
クリックで拡大 

農鳥小屋の向こうには今降りてしまったのと同じだけ登り返す道が見えている。
壁のような農鳥岳がぐんっっと、頭をもたげている。
小屋の脇で小休止したあと、少し肩に食い込んできたザックをよっこらしょと背負って、一歩、一歩農鳥岳の急登を登っていく。
さっきから前後して歩いている小柄な男性が、急登の途中のいかにも中途半端なところで休んでいる。
私が追いつくと、「こんなところに猿がいますよ」と教えてくれた。
言われるままに、さされた指の先に目を凝らすと、いたいた!
5-6頭の群れ。家族だろうか。ちっちゃいのもいる。
3000メートルの稜線に猿? こんな厳しいところでどうしたというのだろう。ふかふかでかわいい。でも、生態系としては…? だいじょうぶなのか?
この人、わざわざ私に教えてくれるために待っててくれたのかな。
うれしい。
ふと振り返ると、ガスがなかなか晴れなかった間ノ岳が青空の中で堂々たる全容を見せていた。
間ノ岳二重山陵
クリックで拡大 農鳥の尾根から間ノ岳を見る。二重山陵の尾根が大迫力だ。

notori
クリックで拡大 急登をクリア。壁のような斜面の上、棚みたいなところに出る。大好きなチシマギキョウが、お疲れさんと声を掛けてくれているみたいだ。
農鳥岳には西と東の二つのピークがある。手前が西で、こちらは巻く。向こうが東。棚の上から、西農鳥~東農鳥の部分はこのコースでは唯一といっていいそこそこ岩場らしい岩場。でっかい塩見を正面に、南の南の山山が一望できる。
農鳥岳
ごつごつの岩だけれど、西農鳥から東農鳥は意外に平坦な道。展望を心置きなく楽しめる。
とはいえ、やはりガスは多め。ほんとうなら、堪能できるはずの塩見も結局すっきりとすがたを見せることはなかった。
農鳥岳をあとにして、しばらく稜線を行く。ここから大門沢への下降ちてんまでが、意外なことお花畑が見事。ガイドなどではほとんど触れられていなかったので、ちょっとびっくり。稜線の花との別れを惜しむように、足を止めとめ、先を急ぐ。

大門沢下降地点には、こんな鐘が。
下降地点
どんなにガスっていても、ま、見逃すことはなさそうだ。

くだりが苦手のまきくま。ここでたっぷり休んでから、ぼちぼち下る。
だって、ちょっとでも長く稜線にいたいもんね。

しかし、この山を甘くみてはいけない。っていうか、この山のエンタテイメントっぷりは、なかなかのもんだ。
このあとも、こんなふう。

大門沢・花1
大門沢 花2

2005_0802akitakoma20298.jpg
花花花花花花なのだ。
悪評高き急な下りは、評判どおりの手ごわさ。なんでこの斜面まっすぐおりるかなー、というような道が続く。でも、こんだけ咲かれちゃったら、なんといううか、文句はいえない のである。

へろへろになりながら大門沢小屋に到着。
2005_0802akitakoma20312.jpg

シャワー
シャワーでさっぱり。これはいい。500円なり。

シャワーでさっぱりした後は、なんと! 冷奴とビール(1100円なり)
が買える! 
2005_0802akitakoma20318.jpg
あー、倒れそうに幸せ! 冷奴に添えたのは、現途中にゲットしたウド。皮をむいて塩をかけて。これがまた、超ウマ~。

今日の稜線の美しかった一瞬一瞬を思い出し、たどりながら、一人テン場で飲むビール。
だんだんこの山の一部になっていく自分を感じながら、眠りについた。

奈良田で温泉・完結編に続く


ボクは夏休みナシ(秋休み)なので、
くやしい思いをしています。
もう1回日帰り山行しようと思ったけど、
くやしいので、明日はボクも単独・テントで
あの憧れの山に行ってやるー!

山よー
明日はこの北岳のように晴れろー!

今回は、
まだ3回しか使っていないテント使います!
キッパリ!
2006/08/18(金) 12:43:29 | |はしつめ@まきくま山なのにパンダ #-[ 編集]

はしつめさん
憧れの山って……どこだ??
まさか、ワタシと一緒のところか? 実は、明日はワタシも憧れの山にいくのだ。
おたがい晴れをいのろうぜっ!
そんでもって、絶対にテント使ってね。報告まってます。
2006/08/18(金) 12:52:04 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

憧れの山といったらあそこですよ!
まきくまさんとは絶対違います。
キッパリ(右手を上げて)!

だって、だってなんだもん。
2006/08/18(金) 13:19:45 | |はしつめ@一緒やったら顔赤くなります #-[ 編集]

えーーっ
赤くなるような山……
赤岳? だめだ、能のない答えしか浮かばん。
だって、かあ……。ふむふむ。
えーと、西郷山 ぶーー。
どこだろ。こんな悩みを抱えてはいけない……。
2006/08/18(金) 15:58:41 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

赤岳、ちょっとギクッと・・・
西郷山なんていうところがありますか?
初めて知りました。
テント泊できるかな?
先客いっぱいだったりして。
ボクが明日行く憧れの山は、
西郷山よりはちょっとだけキツイかも。

まきくまさんの憧れの山は甲斐駒!
そうでなければ新宿区で一番高い箱根山かなあ?
2006/08/18(金) 18:18:09 | |はしつめ@イヤホンが耳にうまくはまりません #-[ 編集]

うっ。文章アップしてたらこの時間だもん。明日は……
はしつめさんはまだ寝てない。まだどうしようかなやんでいる に 5000点。
2006/08/18(金) 23:53:46 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

白峰三山お花多いのね~それにお勉強しながら歩くまっき~がけなげでかわいい~
>岩についてなにかいい参考書はないものか
はさ、図書館にある日本の造山活動とか火山とかの写真の図鑑が結構おもしろいよ。
さてさてきょうはどこへ行ったやら~
2006/08/19(土) 12:53:49 | |ぜいぜい #aRYHo2sk[ 編集]

まきくまさん、こんばんわ~
あ~、わたしが行けなかったところの話だ~♪うれしいっ。
すご~い。日の出がめっちゃきれい。水墨画みたいですね。
中白根山の話、うちの¥も同じようなこと言っておりやした。なんでしょうね・・。
まきくまさんのレポ見たら、白峰三山行きたくなっちゃったよ~。
2006/08/19(土) 20:16:15 | |まゆ太 #-[ 編集]

中白根のマッキーは
なんだかユーミンみたいだね

でも やっぱすげぇなぁ~
よく歩きましたね~
2006/08/19(土) 23:40:43 | |真夏のサンタ #JalddpaA[ 編集]

はしつめさんはどこに行ったのかなー。報告まってまーす。イヤホンは私も苦手です。悩んじゃいますよね。

ぜぜさん
そんなわけで(?!)昨日は山にはいかず、今日は尾瀬に行ってきましたよん、岩や地学はとりあえず図鑑だよね、たしかにね。でもさ、図書館開いてる時間にはとうていいけまへん(ぐすん)

まゆ太さん
¥さまも中白根派ですね! おお、同士よ。たいへんうれしいです。よろしくお伝えくださいませ。このコース、メジャーなだけのことはあります。ほんと何度でも行きたいかも。しかも、北岳から向こうはとても静かでいいです。(もっともバス不通の影響かな? まだだめみたいですね)。わたしは裏も表もやってないからなあ、めちゃくちゃあっちに行きたいです。

サンタさん
>でも やっぱすげぇなぁ~
>よく歩きましたね~
ほめられちった! うれしいじゃないの。
で、ユーミンですけど、それ、どうかな。私の中のユーミンは革のジャンプスーツ(古っ)とかなんですけど、、、
2006/08/20(日) 22:26:44 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

はぁ・・・ここは二人の交換日記かとおもったぜよ(笑

>そこそこきれいなのに、超美人のロビ姉のせいで、ちっとも注目されない・・
って所に、みんなツッコマないと話が終わらんやないのさー??
ねぇv-361 まっきー
オチが・・・落ちないちゅーの(笑

ふ~ん、そっかー まっきーは
ただ景色をみて「すてきぃ~」「感激ぃ~」って思ってただけでなく、「ふむ、これが二重山陵かぁ」とか、ちょっと高度な視点で眺めてたのかー やられたぁv-12

あの写真、サイドにクリクリパーマしてる女の子みたいで・・
別人28号まっきーだ!!
その路線もいいかもだぞ!v-426
2006/08/20(日) 22:40:46 | |ロビン@虚弱体質 #qIFa0De.[ 編集]

おーーーー
ロビ姉じゃないですか。
だいじょうぶ? だいじょうぶそうだな、コメントからするとだいじょうぶそうだな。

うーん、ここね、突っ込んでくるのはロビンさんだけっていう悲劇を予感してた。実は……。あはは。
あの写真、そういわれてみれば髪のとこへんだ。あれはぼさぼさなのがああ写ったのか? それともなくなった帽子の亡霊か?
はしつめさん、にゅう だったらしい。ML見たかい?
2006/08/20(日) 23:00:48 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

わお!きましたね!
肝心なところは来てませんが(笑)
やっぱタイトルの「ひとりでできた」が全てを物語っているのか?
いや・・・そんな・・・
髪ぼうぼう・・・(笑)
でも、魅力は変わりませんよ(^^♪
2006/08/20(日) 23:22:08 | |食う寝るさんだ-す #EBUSheBA[ 編集]

>私の中のユーミンは革のジャンプスーツ(古っ)とかなんですけど、、、
ごめん本気でわかんねぇ…
言われてみたら 歌はそれなりに浮かぶけど
衣装は全然知らなんだ
2006/08/20(日) 23:22:48 | |真夏のサンタ #JalddpaA[ 編集]

>私の中のユーミンは革のジャンプスーツ(古っ)とかなんですけど、、、
同じくです、色はもちろん赤ですたい。
2006/08/21(月) 15:59:44 | |ぜいぜい #aRYHo2sk[ 編集]

食う寝るさん
髪ぼうぼうね、違ってました。大きい写真みたですよ。あれ、ザックの上ポケットですやん。髪はちゃんと、こう、びしっとしたショートですよん。

サンタさん
あー、古いレコード(古っ)とか見てみてください。バービー人形みたいのもあるよ。

ぜぜさん
さすが! 同年代!
2006/08/22(火) 00:58:44 | |まきくま@今日はカウンター割烹でゴチ #E5Upi6Fk[ 編集]
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