まきくま山

まきくま山の備忘録。 山歩き・美味しいもの・愉快な仲間


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肩の小屋についたら、ザックを背負ったまんま、懐かしいご主人と挨拶をして 
(あ、向こうは私のことなど知らないですよん、もちろん)、受付をすませ
最後の夜の寝床を確保しよう。


と、思ったら。

テン場いっぱいですやん。。。
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あっちゅうまにガスガスやし~

何箇所か残ったスペースがあるにはあるが、私のテントが無駄に大きいので収まりがつきそうもないのだ。
仙丈側、あるいは小屋から少し離れた下のほうはがらがらのはずなのだが、受付のときに買ったビールを一刻も早く飲みたいので、小屋から細い坂を下りてすぐの段にむりくり、ぎりぎりテントを張る。
ビールを飲み飲み、のんびり張る。
一段下のテントスペースに落っこちそうな崖っぷちな家になったけど、まあ、いいや。


我が家のすぐ上は小屋前のベンチ。たくさんの人に見下ろされているようで落ち着かないので、カメラを持って散歩に出る。
今年は花が早かったとみえてほとんどが終わってしまっている。暇に任せて終わっちゃった花を撮っていたら意外におもしろくなった。

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やはり梅なウメバチソウとやっぱり豆なオヤマノエンドウ
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つんつんしているシャクナゲとそのまんま固まってるイワベンケイ
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シナノキンバイと誰かのお食事あと。小さい穴の出口に、たくさんのハイマツぼっくりの食べかすが

花がかわいいものは、実もかわいいんだね。
かわいいお嬢さんはかわいいおばさんになり、
かわいいおばさんはかわいいおばあさんになり、
キュートな小動物が寄ってくるというわけだ。

心温まる話じゃあないか。 ふふん。

テントに戻って、食事の用意をして2本目のビールをあけ、なんだか物足りないのでも一度小屋に行く。
今度は、なににしよっかなあと、カウンターに並ぶ飲み物を眺めていたら、
「はい、これね」
と、カップワインを渡された。
「へ? なんでわかったんですかあ?」
「だって、じーっと見てたから(笑)。これ、いちおう山梨のだしね」
というわけで、ハラモワインで、さらに酔っ払う。

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今夜は和風春雨
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ハラモワイン けこうしっかりめの白ですた 
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オニオンとツナのサラダ

明日は帰るのかと思うと、寂しいけれど、なんだかうれしい気持ちもある。
山の中にいる緊張から解放されて、なんの心配もない清潔なベッドで寝られるんだもの。
ちょっと飲みすぎたかな。なんだか息苦しい。
後片付けもそこそこにシュラフに入る。
今日はなんだか寝付けない。この山旅で会った景色や人のことをつらつら思い出し、幸せ気分に浸っていたら、隣のテントから大きな独り言が聞こえた。

あー、明日は長いんだよー。晴れてくれなきゃ困るんだよ~

うふふ。
そっかー、今夜がきっと最初の夜なんだね。

4時、なんだか息苦しくて目が覚める。
そろそろテントに明かりがつくころだ。

ずっと持ち歩いていてつぶれたパンにスープでカンタンな朝ごはんにする。
今回は行動中もあんまり食べなかったので、食料がかなり残ってしまった。
御来光を眺めたら、さっさと降りるつもりで、テントの撤収を始めた。
幸い昨日は雨に降られなかったものの、結露でぐっしょり濡れたテントをビニールにつきこんでザックに納めたころ、鳳凰の向こうに太陽の気配がしだした。
小屋の建っている稜線まであがって、御来光を拝むとしよう。
わくわく、どきどき、この瞬間は縦走の最大の楽しみだ。
小屋どまりの人たちもみんな外に出て、今か今かと待っている。
大きな声をあげる人はいないかわりに、なんだかその場の空気全体がざわざわとざわめいている。
みんなの期待が、空気をふるわしてるみたいだ。

雲海が美しい光を得て、せりあがってくるように見えた。
太陽の昇ってくる鳳凰側はもちろん、西の仙丈、北の甲斐駒方面もまた、刻一刻と表情を変え、その瞬間瞬間の美しさを逃すまいと欲張るもんだから、なんだか忙しくていけない。

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仙丈の朝

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甲斐駒の朝

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富士山の朝

あっち行ったり、こっち向いたり、ばたばたと落ち着かず、なんだかみっともないったらない。
いつもそうだが、こういうときに、泰然としていられる人物に、わたしはなりたい。




あ。
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きれいや。
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たっぷり!



歌舞伎で、大役をこなした役者が見せ場を作りながら花道を引っ込むときなどにかかる掛け声だ。
もちろん声にだしたりしないけど、わたしは心の中で、大向うよろしく叫んでみた。
自然というまことに稀有な大役者を称えて。

ショーの終わりはいつだったんだろう。
やがて、一人去り、二人去り、みんながそれぞれのテントや小屋の中に戻るまで、私はそこにいた。

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終わり


まきくま劇場堪能させてもらいました。

>みんなの期待が、空気をふるわしてるみたいだ。

いい表現ですわ~、思わずモニタ-に頷いちまったぜ・・・

最後の写真も文章にはまっていいですね。

うん、たっぷり!

2008/09/30(火) 12:32:47 | |食う寝る@おひす #EBUSheBA[ 編集]

いよいよ下山ちゃうのねー
もうずーっとこの物語終わらずに歩いていてほしかったっす~
明日は下山の夜って とっても気持ちが満ち足りて幸せだろうねー

公用で行く本場の紅葉高揚してきてね(3段重ねv-217
2008/09/30(火) 12:51:06 | |ロビン@仕事 #qIFa0De.[ 編集]

山の目覚めの音ってざわざわする感じですよね。
私もここの朝でそのことをはっきり感じました。不思議な感じ。

いい山旅でしたね~v-398
2008/09/30(火) 13:35:45 | |hiro #SFo5/nok[ 編集]

たっぷり楽しんで
ブログで報告。
いいな~。
読みながら楽しましてもらいました。
最近遊びで登ってないんです。
仕事では、もういいって言いたいぐらい歩いているのですが。
最近雨ばかり。
へこたれています。
これからは雪ですね。
もうひとがんばりです。
2008/09/30(火) 22:08:33 | |十歩 #-[ 編集]
明日に続く完結ですね
帰りのバスから眺めた北岳を見て…なんてのを考えてたら、朝日を浴びて出発するところで完結! 一皮むけて「次に繋がる何かを得た」って感じかな?

読み応えありました!!
2008/09/30(火) 22:27:36 | |K林@そろそろzzzZZZ... #W0p.A8Zs[ 編集]

おっ、ちゃんと仕事してから出かけたんだね(笑)

朝の写真、たくさんいい写真とれたねー。ありがとう、わたしたちにも見せてくれて!なんちって(笑)

最初から最後までいい旅だったね。山にありがとうだね。ほんと、よかったね、まきさん!

>一段下のテントスペースに落っこちそうな崖っぷちな家になったけど、まあ、いいや。
↑まきさんらしいなぁ。
2008/10/01(水) 12:25:36 | |まゆ太 #Uc1kfBME[ 編集]

感動のフィナーレですね!
やり遂げた達成感と日の出の力強さが重なって、一つの物語が今幕を下ろす…、もうドラマみたいです!

いつかこんな縦走がしてみたいです。

そうそう、北岳で私も岳人の取材に出くわしました。
その時に紙をもらったら『秋山』の取材って書いてあったんで、??と思っていましたが、やはり夏山の取材だったんですね~。
来年、買い間違えるところでした(^^ゞ
2008/10/01(水) 12:41:48 | |山空花 #ib2KpsZ6[ 編集]

長~い南の縦走、お疲れ様~ないいレポでしたね~
ほんとにその一瞬の風景のために、
汗流してがんばって、すごいごほうびだよね。
まっきーみたいに歩き通せる体力がほすいです。
2008/10/01(水) 20:52:28 | |ぜいぜい #aRYHo2sk[ 編集]

ばたばたと出張なんぞ行っていたので、というか、へんなメール送ったり、荷物がなくなったりしたせいで、お返事すっかり遅くなりました。すんません。山記事がメインのはずなのにねえ。

食う寝るさん
>最後の写真も文章にはまっていいですね。
えへへ、ありがとうございます。
自分でもね、あの朝のあの瞬間が思い出せるんでとっても気に入ってます。
ブログって、ほーーーーんと、自分のためにあるんだよねえ。きっと。
>うん、たっぷり!
これも、いい掛け声でしょう。
まってました!
ときったら、
たっぷり!
って、かけたりもするんだよ。いつかやってみたいけど、やっぱ、歌舞伎座の大向こうは、男の声に限りますわ。

ろび
>もうずーっとこの物語終わらずに歩いていてほしかったっす~
わたしも~
ずーっとずーっとあるいていくと、千丈に行って、甲斐駒に行って日向山に行って、雨乞山に行って、そのうち高遠についちゃうね。

hiroさん
>山の目覚めの音ってざわざわする感じですよね。
hiroさんも感じたのね。ざわざわ。自分の胸が高鳴ってるんだか、その場の空気がふるえてるんだか、、、だけどね^^。
なんにせよ、とっておきの、幸せな時間だよね。
あれのために、山で泊まってるんだもんね。
2008/10/09(木) 23:16:16 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

十歩さん
きゃー。お久しぶりです。
元気ですか~?
>最近遊びで登ってないんです。
え? ってことは、山でお仕事ですか?
>仕事では、もういいって言いたいぐらい歩いているのですが。
えーっ? どこどこどこどこ~?
秘密のコメント求む!
ぜったい、遊びにいっちゃうもんねー。

K林さん
>一皮むけて「次に繋がる何かを得た」って感じかな?
お、お見通しですね。
うんうん、次はね、ツルギだしね。
えと、誤解を恐れずに言うと、今年はちょっと自信がつきました。というか、自信が持てるようにがんばりましたよー。
秋にも、うまくつなげたいです!

まゆたん
>朝の写真、たくさんいい写真とれたねー。
うん、ばかみたいにいっぱい撮ったよー。
また。びすたんにバカにされるわー。
撮りすぎやって(笑)
>最初から最後までいい旅だったね。山にありがとうだね
ほんとねー。とにもかくにも、山がそこにいてくれるから。そんでもって、いちおう、笑顔で迎えてくれたから、歩きとおせたんだもんね。
秋も、なんとか穏やかなまんま、迎えてほしいなあ。
2008/10/09(木) 23:22:41 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

山空花さん
>いつかこんな縦走がしてみたいです。
いやいや、私なんかより、山空花さんのほうがどんだけ歩いてるか。。。
>北岳で私も岳人の取材に出くわしました。
>『秋山』の取材って書いてあったんで
うっ。。。。
あのですね。まきくま山の記述を信じないほうがいいです。。。
すみません。そういわれると、とたんに自信なくなりますぅ。とほほほ。
秋かも。。。
うーん、でも、夏だったような。。。
いや、秋かも。。。


ぜぜさん
>まっきーみたいに歩き通せる体力がほすいです。
あのね、ぜぜさんもできるよー。
私にできたんだもん。
たっきーいるし。
地図読めるし。
また、今度尾根歩きにも戻ってきてねー。
ほんでもって、秋の丹沢の尾根、一緒に歩いてね
2008/10/09(木) 23:27:26 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]
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