まきくま山

まきくま山の備忘録。 山歩き・美味しいもの・愉快な仲間


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明日は北岳肩の小屋まで、エアリアのCTで約6時間の行程だ。
はぁ、なんてラクチンなんだろう。
と思えるようになったまきくまさんて、すごいなあ、と自分にうっとりしながら、シュラフに入った。
11時頃そっとテントのジッパーをあけて見た空には、これでもかというくらいの星がまたたいていた。

8月11日(月)
あたりが薄明るくなる頃ようやく起き出して、パンとスープでカンタンな朝ごはんをすませる。
トイレをすませて、水をくんで、歯を磨いて…
前はひとつひとつ緊張して、ひとつひとつこなしていたことが、至極当たり前になってきた。
なら、もっと早くすませてもよさそうなのに、緊張感ないと、なーんかだらだらだ。
昨日の夜このスペースにテントを張ったのは結局4組。
三伏峠まで行くという単独の男性二人が早々とテントを撤収して出発していった。
二人とも、緊張してたなあ。そりゃ、そうだ、あの長丁場だもの。
3番目はわたし。すでに5時をまわってしまった。
ベテランさんと初心者さんコンビの笑顔に見送られて、テン場を後にした。

まずは、マルバタケブキのお花畑を右手に見ながら三国平にむかってざれざれの道を登る。道の左側は砂礫の斜面が大きく崩れた迫力満点の景色だ。

振り替えると熊ノ平小屋の赤い屋根が見える。
IMG_1830.jpg
手前はマルバダケブキのお花畑。木々の中に赤い屋根が見える

その向こうに北俣岳までのゆるやかな、しかし長い長い陵線があって、その先に高く大きく塩見が見える。
IMG_1834.jpg
中央奥のいちばん高いのが塩見。右肩のぼこんは天狗岩

高ければ高いほど、遠ければ遠いほど誇らしい気持で、顔がにまにましてくる。
人と比べるわけではなく、人に誉められたいわけでもなく、ただただ自分がうれしく誇らしい、こんな喜びって、多分山以外にないんじゃないかなあ。うふふ。
しばしの急登に耐えて三国平に乗っかると、這松の海が朝の光にきらきら光っていた。

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大トラバース道を右に分け、三峰岳へと進む。進行方向左にはダイナミックなカーブを描いて仙丈岳に至る尾根を望む。その先に見えるのは甲斐駒。雲海にほっかり浮かぶのは中央アルプス。
このとんでもない景色を、独り占めしていることへの畏れが胸に広がる。

IMG_1864.jpgクリックで拡大
仙塩尾根のカーブはなんて美しいんだ! 
カーブの先は、当然仙丈。右端のとがったのは甲斐駒


IMG_1865.jpgクリックで拡大
雲海の向こうは中央アルプス

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間ノ岳と農鳥の間には富士山が見える

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足元はかわいいちんぐるまの風車

しかし、人生やはりそうそう調子よくはいかないものらしい。

「えーっ?聞いてないよぉ」
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思わず声にだして言ってみた。登山道はいきなり岩岩のやせ尾根に変わり、とがった岩を乗っこしたりする場面も出てきた。まきくまはとにかく岩岩が苦手。背中にはテント装備が重くのしかかっている。苦手という気持ちがますますカラダを硬くする。たぶん普通の人はどうってことないところなのだろうけれど、慎重に、慎重に、と自分に言い聞かせて一歩一歩進んだ。

規模は大きくはないけれど、にょきっと天を衝く岩頭が三峰岳の頂上だ。地図を広げてみると、標高は2999! やるなあ三峰岳。今後、キミのことは、南のツルギくんと呼ぶことにしよう。ふんふん。
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南のツルギから岩岩の稜線を振り返ると、ワタシの塩見が見守ってくれていた

頂上でラーメンを作っていたおじ様としばし会話。目の前にかぶさるような間ノ岳の大きな大きな山体が、しきりにおいでおいでするので早々にザックを担ぎなおして出発だ。

頂上直下に仙塩尾根との分岐がある。
IMG_1889.jpg
分岐点。来年、か再来年はこの尾根に挑戦だね

大きな懐を見せている仙丈にもおいでおいでされて、ついつい行っちゃいそうになる。が、やっぱりここは予定通り、間ノ岳への道を進む。
IMG_1899.jpg
ここもけっこう岩岩(涙)

間ノ岳の頂上は、芒洋としてただただ広い。
2年前の白峰三山縦走の時には、ガスガスでなにも見えなかった。
加えて、隣の農鳥岳がぐっと引きしまった頂きだったもんだから、これといった印象がない。なんで百名山なの? くらいな感想だ。
しかし、今回は間ノさん、ちょっとやる気みせてくれました。

見よ、この大展望!

pIMG_1916.jpgクリックで拡大
北岳もいよいよ大きくなった
右のとんがりが北岳。左へ順に、甲斐駒、鋸、仙丈。
北岳の右肩奥にうっすら見えているのが鳳凰三山



ainodkaepanrama.jpg
間ノ岳頂上のパノラマ。クリックしてみてね

地図を出して、山座同定しようとするのだけれど、なんだか頭のほうはそんな知的作業(?!)をうけつけてくれない。
ひたすらぼーっと、なんどもなんども、360度、ぐるぐるぐるぐるまわって、ただただ眺める。
どっちから来たのか、どこへ行くのかももう頭のなかにはない。
広い空と、見える限りのかなたまで続く大地のひだひだ。その間にひとり。いつまでもいつまでも風に吹かれて立っていたい。

とはいえ、頂上は独り占めなはずもなく、今まで通ってきたピークとはうってかわって、たくさんの人でにぎわっている。
来年の夏のアルプス特集のために来ていた「岳人」のカメラマンさんが、写真を撮っていた。わたしもちゃっかり納まってポーズなんかとってみたりする。
なんでも白峰三山縦走の記事の予定が、農鳥までいくのはよっぽどのもの好きだということで、北岳から間ノ岳ピストンという記事に変更したそうな。なるほど、間ノまでがぎりぎりメジャーコースなんだね。

そうこうするうちに1時間近くがたってしまった。すでに9時近い。ここから肩の小屋まではCTで3時間15分。なんだ、またテン場到着は午後なの~? 
すでにあちこちの峰から雲が湧き出している。さて、そろそろ前に進みますか。

ピークから5分ほど下ったところで5-6人の人がじーっと草むらの中を見ている。
雷鳥だ。親子でお散歩している。
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こんちゃ! ぴよぴよ

この子たちが無事に育ちますように。いつまでも、この山が美しい山でありますように。年をとったせいか、ほんのちょっとのことでじわーっと感動してしまう、まきくまであった。

北岳山荘までは大きく緩やかなアップダウンをいくつか繰り返す。2年前はこのあたりですでにガスガスだったので、足元の花しか見ていなかった。道は東側がストンと落ちた尾根をたどり、やがて尾根を少しはずしてガレた斜面をトラバースしながら中白根山へと続く。
ここの景色が圧巻だった。
IMG_1938.jpg
間ノ岳を振り返る

昨年の荒川の大聖寺平から、まきくまさんはどうも「大っきい谷フェチ」になっているみたいだ。
だって、こんな大きな谷をかかえているからこそ、間ノはでっかい山でいられるのだ。
うん、今年の間ノはほんとうにひと味もふた味も違う。 いい山だなあ、としみじみ思う。
そして、2年前に大好きになった中白根クンとの再会を果たし、北岳山荘へとずんずん下っていった。

IMG_1957.jpg
立派な3000メートル峰にして、通過点な中白根山応援団団長のまきくまさん

このあたりから、しゃりばてなのか、どうも調子がおかしい。
足が重く、カラダが重い。
山荘を越えたあたりで、いったんザックを降ろし、パンとドライフルーツを食べた。
これからが今日いちばんのつらい登りだ。
とはいえ、CTで1時間15分、なーにへっちゃらさ、と思っていたのもつかの間、あらら、足あがりまへん。ほんとうに一歩一歩はあはあ、あえぎながら登っていく。7月のはじめ、キタダケソウを見にきたときも北岳の頂上でばてばてだった。今日もか。。。

なんとかCTは切ったものの、へろへろになって頂上に着いた。
すでに間ノ岳はすっかり灰色の雲の中。空の大部分を雲が覆いかけていた。
IMG_2000.jpg
頂上は30人ほどの団体さんでにぎやかだ。ちょっと腰をおろしてみたものの落ち着かないので、写真だけ撮ってもらってさっさと降りることにした。
肩の小屋までの道は急な岩ゴロの道。まるでまっさかさまに落ちていくように見える。
この道を来るわ来るわ、大勢の人が登ってくる。
おじいさんもいれば、小学生もいる、若いカップルもいる。

ああ、この山旅もいよいよ終わりに近づいているんだなあ。

続く


うわー。すごい景色!
この日もいいお天気だったんだねー。
三峰岳の2999、南のツルギって、¥さんも同じようなこと言ってやかも(笑)
仙塩尾根、ほれちゃうよね。今でも覚えてる。
そんでもって、間ノ岳くんも立派だよね~
2008/09/28(日) 10:01:33 | |まゆ太 #Uc1kfBME[ 編集]
ほんま!すごい眺望やー
いつもながら傍観者のyzmです。おはようさんです。
①~ずっと読ませてもらってます。画像と言い、文面と言い、その時の感動が伝わって来ますよん!
良い縦走でしたね!まだ、終わってないでしょうけど、気を引き締めて最後まで歩かれて下さい。
ちゃう!ちゃう!・最後までレポして下さいね!v-218
2008/09/28(日) 11:03:38 | |yzm #t50BOgd.[ 編集]

まゆたたらん
長々とお付き合いいただきサンキューでした。
いい天気でしょ? この縦走は、歩いているときはずーっとよかったのよ。この日の展望はぴかいちでした。なかでも仙塩尾根は魅力てきだったなあ。次は、聖か仙塩か。。。早く夏が来ないかなあ。

yzmさん
だらだらレポにお付き合いいただいてほんとうにありがとうございます。
ちょっと忘れかけていた気持ち、レポ作っていたら思い出してきて、自分もまた感動しちゃいました。
でも、写真眺め出したら、もうそれだけでどんどん時間がたつので、なんだか効率悪すぎですわ(笑)。
まだ白山も瞼もあるのにー。どうしましょ。
2008/09/28(日) 13:41:50 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

ふーむ、今回はずっこけハプニングもなく、堂々たるレポですね。今年は厳しい単独行をもういくつもこなされたからですかね、なんだかベテラン山やさんの自信というか、余裕というか風格まで感じられますわ。
2008/09/28(日) 15:00:53 | |監督 #yZfxqMi2[ 編集]
間ノ岳と農鳥の間に見える富士山
カッコいいですね。
三峰岳の前後は少し怖かったですね。でも間の岳の大きさを感じるルートでした。
2008/09/28(日) 22:45:33 | |えいじ #-[ 編集]

監督さま
そんなに毎回ドジってるわけじゃあないんだけどなあ。ぶーぶー。
>ベテラン山やさん
うーん、なんかういういしさがない感じですな。
>自信というか、余裕というか
かわいげないっすね
>風格まで
致命的ですね、
女子としては。。。。
反省します。

えいじさん
>間ノ岳と農鳥の間に見える富士山
あ、これ、お好みでしたか? ちょっとシュールですよねえ。でも、私は山の背骨好きなので、仙塩尾根のほうがぐっとくるんですよぉ。
>三峰岳の前後は少し怖かったですね
ほんとですか? えいじさんでもそう思ったんですね? ああ、よかったー。私だけかと思いました。私は、クサリ場とかよりも、ああいうやせ尾根のほうがずっと怖いです。
今年の夏は、ほんとうにおんなじところ行ってますよねー。これ、飲んだらもりあがるぞーっ。
2008/09/28(日) 23:30:24 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

この山域は歩いた事がないのですが、レポを読んでいて行きたくなりました。
塩見から北岳まで歩いて見たい、って思いますが、体力が・・・(汗)
南ア・北部の主峰の景色が最高です。
2008/09/29(月) 07:26:13 | |やまとそば #g6FRH5K2[ 編集]

あんな遠くに塩見がみえるようになると
感慨深いなー(ってお前は歩いてないって)
最近思うのだけど、あの山に登りたいとかって言うのと同じ位
あの尾根続きを歩いてみたいって感じやね。
私もそんな所一杯あるんだよなー

んで、間ノ岳と農鳥の間には富士山がど真ん中に見えた時、
きっと興奮するなぁ~
2008/09/29(月) 07:42:26 | |ロビン #qIFa0De.[ 編集]

いいね~ほんとすごいね~!
なんか、もう一度夏山に登りたい・・。
こんな風に一人でじっくり縦走するのも憧れちゃうな~。
南アは山がかっちょいいよね。ホレボレ。
2008/09/29(月) 13:14:17 | |TiCA #a2H6GHBU[ 編集]
熊ノ平~三峰岳
2日後に通ってるわけですけど、私もあそこは結構ビビリましたよぉ! 「風雨だけは勘弁」なところですよね。
大作ももう少しで完結。最後はどういう風に締めるのか楽しみです(ん?プレッシャーかけてるわけではないですよん)。
2008/09/29(月) 21:41:52 | |K林@そろそろzzzZZZ... #W0p.A8Zs[ 編集]

やまとそばさん
>体力が・・・(汗)
なーに言ってんですかっ! 体力あまってますやん。
南ア北部の主峰、ほんと、かっこよすぎですよねー。まさに、男の中の男です!

ろび
>あの尾根続きを歩いてみたいって感じやね。
>私もそんな所一杯あるんだよなー
うんうん、そうなの~ ピークはもちろんうれしいけど、その途中なんだよね。そそられる~
間ノと農鳥のあいだっこの富士山、かっこいい? この写真落とそうかと思って迷った末にだしたんよー。のっけてよかった。んで、そういわれたら、だんだんすごいことのような気がしてきたよ。たしかにかっこいいね。
2008/09/30(火) 03:38:03 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

TiCAさん
>なんか、もう一度夏山に登りたい・・。
そうなのよ~。
もう一回夏こないかなあ。特別に、あたしとちかさんとこだけ~。
>こんな風に一人でじっくり縦走するのも憧れちゃうな~。
ああ、わたしは、やっぱ、パートナーとに、あこがれちゃうなあ。

K林さん
>熊ノ平~三峰岳
>私もあそこは結構ビビリましたよぉ!
なーんだ! そうだったのか。
私は、南はみんな岩ないし、危ないところないって言うから、ぜんぜんへっちゃらなのかと。。。。
まあ、北はもっとすごいってことなんでしょうけどねえ。
先週末とか雪じふったのかしらん。そうなると、もう、ぜったいにいけませんね。
大作、ようやく完結させました。あれ? まだ山おりてないってつっこみはなしねー。
だって、なんか蛇足っぽくなっちゃいそうでねえ。。。
2008/09/30(火) 03:43:43 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]
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