まきくま山

まきくま山の備忘録。 山歩き・美味しいもの・愉快な仲間


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8月10日(日)
出発は午前4時。
昨日雷雨にやられたのは昼過ぎのこと。1週間前に中央アルプスでおきた雷撃による死亡事故は午後1時半に起きたと聞いている。
今年の夏山の第一のミッションは、1分でも1秒でも早く安全なところへ、次のテン場へ着いていることだ。
3時に起床。簡単に朝食を済ませ、荷物をまとめてテントの外にポンと放り出す。あとは、テントとグランドシートをまとめてザックに入れれば出発準備完了だ。
昨晩の雨と結露でずぶずぶに濡れたテントをたたむ。最近のまきくまは、こんなことではめげなくなってきた。濡れてたって重くたって、いったん背中にくくりつけてしまえば、なあにどうにかなるものだ。
が、しかしだ。気持ちがめげてなくても、そんなテントを収納袋にいれるのはなかなかに骨が折れる。そうでなくても山の道具の袋はきゅうきゅうにできている。
袋に詰め込むのはあきらめて大きなビニールにざっくりいれようとしていたら、師匠が私の手からテントを奪い取るようにして、ぎゅっぎゅっと入れてくれる。どうしてもどうしても入らないのに、根気強く入れてくれる。

縦走なんてやめて一緒に帰ろうよ。1人で行くなんて言わないで、高遠で美味しいお酒のもうよ。

昨日からことあるごとに、私に繰り返し言っていた師匠である。
自分がしたいことをする、行きたいところに行く。いつも「自分」を押し通してしまうのは、子どもの頃からの私の悪い癖。
ああ、私、またやってる。。。。
それでも、行きたい気持ちはどうしても抑えられない。いったい、いくつになってるんだか。

きっちりと袋に納まったテントをザックにしまい、ヘッデンの明かりをたよりに、さあ、出発だ。
トップの師匠がいつも以上にゆったりとしたペースで、歩を進める。師匠もロビンも今日はピストンなので、ちいさなサブザックひとつを背負っての歩きだ。ほんとうはもっともっと飛ばしたいだろうに。。。。

と、師匠が私に前に行けという。
自分のペースで歩け、と。
荷物のある私のペースに合わせるよ、ということだ。
山でパーティーを組むということの意味を考させられる。
なのに、1人で行っちゃう私って、ほんとに勝手だな。

スタートは緩やかに下り、すぐに本谷山(2657)まで登り返す。ここが最初の頑張りどころだ。
まだまだ深い森の中の道だが、ヘッデンがいらなくなるほど明るくなってきた。曙に染まる空と雲、塩見岳のとっておきの瞬間をどこでつかまえることができるのか。毎度のことだが夜明け前の歩きは、もうそのことで頭がいっぱい。気が気じゃないのに、思うように飛ばせるわけもない。これ、ある意味とんでもないストレスだ。
うっすらとオレンジを帯びた光があたりに満ちてくる頃、目の前に急な坂がたちはだかった。そして、その坂はマルバタケブキのお花畑になっていたのだ。
006_IMG_1445.jpg
黄色い花と濃い緑の丸葉が朝の光のなかでとてもきれいに見えた。

ストックを使ってぐいぐいと坂をあがリきり道が平らになって程なく、本谷山の頂上に着いた。

間に合った!
そこだけハイマツのないスペースがあって、展望をえることができる。
080810IIMG_1714.jpg
右端の大きな山が間ノ岳、左肩にちょこんと北岳の頂上が見える。

紅くそまった空に黒々とした塩見のシルエットがある。西峰と天狗岩が、ごつごつと天につきあげている。
その肩から、いままさに太陽がでようとしている。

080810IMG_1703.jpg

一人で見る方が感動できる風景と、誰かと見る方がぐっとくる風景がある。
いかにもドラマチックな日の出の瞬間は、風景そのものよりも、それを共有できたことに感動してしまうせいか、断然後者なのだ。

いつものように、目が熱くなる。

なのに、
これとおんなじ太陽をたここもはっしーも、k林さんも、TiCAさんも、みーんな見てるんだね
なんて、

同じときに山に入っている仲間の名前までロビがあげるもんだから、ますます胸が熱くなるじゃあないか。

歳とるとカンゲキやになるらしい。

ザックにしまいこんでいた一眼をだして、何枚か写真を撮った。
ここから、TiCAさんのレポにあったもったいないオバケの跋扈する、下りがはじまる。
とにかく、とんでもなく、とことん下る。
そして、登り、なぜか下って下って、またガンガン登る。

080810I012_IMG_1482.jpg
この間ほとんど、展望のない樹間の道を行く。

左からの塩見新道を合わせて、右に折れるとすぐ、塩見小屋に着いた。
080810I014_IMG_1493.jpg
ここまでくれば、塩見の頂上はもうすぐそこにある。
小屋の脇の小高いスペースで、ザックを降ろし、パンを頬張り、ひと息いれた。
南アの小屋らしくいかにも小さい塩見小屋は、まさに天狗岩を背負うように建っていた。
よくもまあ、こんなところに小屋を建てもんだ。

小屋の右側をぬけて天狗岩にとりつく。
「まずはこの岩峰を越えること」
声に出して言う。
ロビがうんうん、とうなずいている。

025_IMG_1536.jpg
重荷を背負っての岩岩。慎重に歩く。

見るからに急な岩峰の中腹をトラバースして向こう側に出、そこから急な岩岩の道をぐんぐん登って西峰の頭に出た。
080810I031_IMG_1555.jpg
たぶん、この山旅のなかでいちばん気持ちよかった瞬間!

ぎゅんと登って、ぎゅんと下り、さらにぎゅーんと登る。双耳峰にありがちなジェットコースター道。
080810IIMG_1720.jpg
東峰から西峰を振り返ってみる

落石をおこさないよう、足元が滑らないよう、荷物に降られることのないよう、一歩一歩確実に登る。
こういうツメって、なんだか快感だ。

いちばん高い東峰の頂き(3046)に立ったとき、大好きな南の懐深くに、しっかりと抱かれているような気がした。
080810IIMG_1737.jpg
      080810IIMG_1727.jpg

続く


読んでると、なんか、涙が出てきます。いい仲間と一緒に味わう山は最高ですね。
2008/09/06(土) 02:10:15 | |監督 #yZfxqMi2[ 編集]

来週ここへ行こうと思っています。

2泊3日塩見ピストンのお気楽コースですが
久しぶりのテン泊・・・今からワクワク~~~

参考にさせていただきま~す!!
2008/09/06(土) 07:25:26 | |上松 B作 #-[ 編集]

このルートはまきくまさんの2週間前に行ってきました。
ここから30~60分くらい進んだとこから見た塩見の景色が素晴らしかったので
今、PCの壁紙にしてます。
2008/09/06(土) 10:03:44 | |T@ka #-[ 編集]

まきくまさんは一人で山に行っている時も、ひとりぼっちじゃない・・・沢山の仲間と登ってるんだね~。最高の山旅です。
2008/09/06(土) 11:28:57 | |やまとそば #g6FRH5K2[ 編集]

じ~んとするレポですね。
未踏地帯なので、山の様子は想像するだけなのですが、心模様は「うんうん、そういうことってあるよね」って感じられました♪
2008/09/06(土) 20:39:45 | |heppoco #-[ 編集]

監督~
なんて時間におきてますの? あ、もしかして神の頂きの麓ですか?
ええなあ。
監督カンゲキやさんだからなあ。こんどロビとカンゲキ比べしてみたらどうかなあ。。。

B作さん
来週天気よくなりますように!
テン場の水場、ちと遠いですけど美味しいでつ。いいなあ。
山はそろそろ秋の気配でしょうね~

T@kaさん
ああ、北俣あたりから振り返った塩見かなあ。とても大きくて立派ですよね。荒れた谷と一緒になると、山って引き立って見えますよね。二週間前だと、お話綺麗だったでしょう? あーん、うらやまし~

やまとそばさん
そうそう、ひとりのときって、家族のことや大切な友達を思いやること、多くなりません?
なんか、へんだな。矛盾してるぞ、自分(笑)
2008/09/06(土) 20:40:46 | |まきくま #USanPCEI[ 編集]

heppocoさん
道の様子はちゃんとかけてないまきくまです。こんばんみー。
心模様って、けっこう覚えてます。でも、道は。。。
どうもねえ、信用ならないブログですねえ。
2008/09/06(土) 23:35:01 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

感激やのロビンさんらしいお言葉ですね^^
わたしゃ山に入ってるときは、知り合いのことなど思い出さないけどなぁ。どうせ下界で飲んだくれるんだし^^;

次は独り立ち編ですね。南アの記憶が思い出されて、ほんと行きたくなっちゃいますよ。
2008/09/07(日) 14:21:35 | |たここ #USldnCAg[ 編集]

登って下って登って下って、その先に醍醐味が待っているんですね。
レポといっしょに心もほんわかしてきますね~

く~行きたい~
2008/09/07(日) 14:45:42 | |ぜいぜい #aRYHo2sk[ 編集]

あぁ また感動の波が寄せては返し・・・
塩見はホンマによい山なり。

>わたしゃ山に入ってるときは、知り合いのことなど思い出さないけどなぁ

ほんと、いけずで薄情ななたここっv-409
今回のこの山行は、確かに以前からずーっとあこがれてた塩見っていう楽しみもあったけど、
なんていっても一人で縦走するその力強いマッキーの後姿を見届ける事に
大きな意味があったんだな。
頂上から見送った時のあの胸にこみ上げる感動は忘れないよ。
んでもさ、私達が三伏にやっとこさ着いた時には、もうテントでマッタリかい?!ショックぅ~v-402
2008/09/07(日) 22:48:03 | |ロビン #qIFa0De.[ 編集]

意外と続きが早くてわぉ~。
>そんなテントを収納袋にいれるのはなかなかに骨が折れる
私もそうです。師匠、山男の鑑だね。

*あそこのマルバダケブキ、鮮明に覚えてます!

*塩見の山頂、感激だったね!3人だから3倍か!ボリューム感のある展望。また登りたくなります。

いよいよここからひとり旅。さて次なる展開は如何に?
2008/09/07(日) 23:12:14 | |カモシカ #-[ 編集]

>もしかして神の頂きの麓ですか?
そっちは今月下旬からになりそうです。

>歳とるとカンゲキやになるらしい
ふーん、それは、言えてるかも。ならロビ姉さんにも勝てるわ。
2008/09/07(日) 23:16:34 | |監督 #yZfxqMi2[ 編集]


あぁ・・・・
監督より若い分、感激度は私のほうが劣るかもだす。 嬉し>残念 むふふ
2008/09/07(日) 23:23:25 | |ロビン #qIFa0De.[ 編集]

↑なんか、ロビンさんと監督さんがおもしろいやりとりしてるぞぉ(笑)

まきさん、え~、ここでストップ?続きがはやく見たいよー。
ほんと、いい青空だー。ぐるり1周、見ることできたんだね。わたしのときもそうだった。ありゃ、感動もんだわよ。一番気持ちよかった瞬間って、わかるかも。
三伏から塩見山頂までも結構キツイですよね。
2008/09/08(月) 12:20:48 | |まゆ太 #Uc1kfBME[ 編集]

たこ~
ほんと薄情なやっちゃ。ん? だれのこと考えたたのか白状おし~!
↑おっと、何かの悪い影響が。。。
>下界で飲んだくれるんだし^^;
有意義な反省会といってもらおうか。
>次は独り立ち編ですね。
ふふ、アップしたで、はよ見んかい。
で、たここもまた南アに行ってよ。みんな北ばっかになってきて、なーんかつまんない。
私はやっぱ、南が好きかもだ。

ぜぜさん
>レポといっしょに心もほんわかしてきますね~
おお。さすがぜぜさんわかってくれる~?
うれしいっちゃ。
でも、ぜぜさんも目の前のたっきーのことでいっぱいで、私のことなんか思い出しもしないだろうな。。。はは

ろび~
>あぁ また感動の波が寄せては返し・・・
ほんと、本谷からのながーい道。思い出すなあ。
あれがあるから、あの頂上の爽快さがあるんよね。きっと。
>ほんと、いけずで薄情ななたここっ
こんど、ふたりでぼこぼこにしようぜっ
>頂上から見送った時のあの胸にこみ上げる感動は忘れないよ。
うん、うん、あの見上げたときの景色がねあんまし強烈過ぎて、ほかがちょっとかすんじゃったな。
2008/09/08(月) 12:39:09 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]

カモシカさん
テントしまうの毎回たいへんですよね。実は、わたしはほとんどがビニールにぽい、でござんす。
>あそこのマルバダケブキ、鮮明に覚えてます!
あれ、印象的ですよね。

監督さん
>ならロビ姉さんにも勝てるわ。
そ、それはどうかなあああ。
年の差と感激度の差とどっちがどう追いつくかだなあ。
あ、逃げろ~!!

ろび
>監督より若い分、感激度は私のほうが劣るかもだす。
いや、だから、それはちゃんと検査してみないと。。

まゆぴょん
>まきさん、え~、ここでストップ?続きがはやく見たいよー。
むふふ。ウプしたで~
ああ、時間かかったー。
>一番気持ちよかった瞬間って、わかるかも。
うん、頂にのっかった瞬間って、すきっとして、満足感でいっぱいで、幸せだよね。
>三伏から塩見山頂までも結構キツイですよね。
うん、十分きついとおもいますた。
2008/09/08(月) 13:02:58 | |まきくま #E5Upi6Fk[ 編集]
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