まきくま山

まきくま山の備忘録。 山歩き・美味しいもの・愉快な仲間


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羽黒山頂バス停は観光バスも泊まれる大きな駐車場があって、土産物屋が何軒もあります。
美味しいものや、ちょっとしたお土産を物色するのは、女子旅の大きな楽しみ。
ゆっきーは庄内柿のジュースを、まきくまは桃のジュースを飲んでほっと一息。
お漬物の味見で盛り上がります。
さらに、甘味噌のたれが美味しい大きな焼きまんじゅうを買ってほうばります。

11:50の月山行バスに乗り、12:45に月山八合目に到着。
朝一番のバスで鶴岡を出ていれば、その日のうちに湯殿山まで抜けられるコースですが、今回はあえて山中で一泊する予定を組みました。

天気予報でわかってはいたのですが、八合目は雨粒混じりのガス。
風も強く、日帰りだったら山行は中止しているだろう悪天です。
八合目の茶屋でゆっくり支度をして、いやいや外に出ていきます。

道は緩やかな登り。ニッコウキスゲの咲く湿原の木道から始まりました。
晴れていればどんなに素敵なところだろう。
と、想像の目で景色を愛でつつ、淡々と進みます。

ほんの10分くらいで御田ヶ原参籠所という名の小屋に到着。

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ここは月山中ノ宮。月の山らしくうさぎさんがいました。

神職らしき人と天気の話をして、先を急ぎます。
ここ一月くらい、ずーっとこんな天気らしい。

視界は20メートルくらいですが、夏の花が目を楽しませてくれます。

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しっとりと濡れたお花もまたかわいいです。

雨がだんだん強くなり、暑いからと上着だけだったのを、上下雨具を着込んで進みます。
ハクサンイチゲが一面に咲いているところでは、とんでもなく強い風が吹いていて、お花に歓声をあげつつ、冷たい雨と強風に悲鳴をあげていたら、なんだかわからないけど躁状態になります。

出発から約1時間半で、本日の目的地仏生池小屋に到着しました。

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お花がわんさか咲いている中に、ひっそりと建っている仏生池小屋。

小屋の前にはちいさな池、仏生池(ぶっしょういけ)があります。
出羽三山に来山した参拝者は、羽黒山で現世の穢れを落としたあと、白装束で月山を目指しますが、ここ仏生池で死に水をとり、仏(魂)となるそうです。仏として月山山頂の本宮をお参りし、最後に湯殿山本宮の産湯をもらうことにより新しい生命(神)として地元へ戻っていくのです。池の前には小さな石の阿弥陀如来像が祀られていました。

図らずも嵐の中で到着した、ここ仏生池。
自分のなかでずっとわだかまっていたなにかがここでほどけていくような予感。
むしろ、山という大きな装置のなかで、新しいなにかが生まれるような予感。
そして、明日の道で会える大きな景色にわくわくしながら久しぶりの山小屋の一夜を過ごしました。
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8月最初の週末に、羽黒山、月山、湯殿山と出羽三山を歩いてきました。
羽黒は現在、月山は過去、そして湯殿山は未来。
羽黒は観音菩薩、月山は阿弥如来、湯殿は大日如来のつかさどる世界ともいいます。
つまり、この三山を巡ることによって、この現世から一度離脱して、あの世にわたり、生まれ変わるのだそうです。

まさに再生の旅。

特に宗教心があるわけではありませんが、長い長い歴史の中で、この3つの山に息づいてきた文化です。自分でも驚くほど素直に感応して、私にとって深く心に残る山旅になりました。

実は羽黒山には真冬に訪れたことがあります。
2005年の正月。母と二人の旅行でした。鶴岡に泊まり、レンタカーを借りて雪の羽黒山に詣でました。振り返ってみれば、母もまだまだ元気でした。
駐車場に車を停めてふたりで深い雪をかき分けて国宝の五重塔を見に行きました。
夜じゅう降っていた雪が、老杉の枝に、塔の屋根にこんもりと積もり、そこに朝日が差し込むその風景は、まさに神がかっているとしか言いようのない美しさでした。
塔は羽黒山神社、つまりは羽黒山山頂へと向かう参道に位置しています。ここから2446段の石段を登れば羽黒山神社へと至ります。ここを歩いて登りたいなあ、という思いは母と一緒ではもちろんかなうはずもなく、「いつかきっと」という思いを残して車で山頂に向かいました。
出羽三山をすべて参ったことになるという、とても便利な三神合祭殿でふたりで手を合わせました。娘が願ったのは母の健康、母が願ったのはなによりも娘の幸せではなかったかと・・・
そんな母がなくなってもう3回目の夏になります。

そんなわけで、私にとってこの旅は母との思い出の続きのような、ちょっと特別なものでした。

スタートは、もちろん五重塔です。

鶴岡駅からバスに乗って、いでは文化記念館で下車。バス停を降りるとすぐそこに大きな鳥居と随神門があります。神道と仏教と修験がごっちゃになった聖地の始まりです。

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随神門から羽黒山神社までの表参道は全長1.7k、2446段の石段が続きます。

最初は急な石段を降りて、いくつかの建物がたっている平坦地へ。

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昨晩の雨が、緑をいっそう深いものにしていました。

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祓川にかかる神橋を渡ります。

対岸には滝が見えます。ほんらいはここで身を清めて山に入ったのでしょう。

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樹齢1000年という爺杉と五重塔。

また来ることができました。
雪の五重塔も美しかったけれど、杉の緑、苔の緑、夏草の緑の中の塔もまた、圧倒的な存在感を放っています。
参道の脇には、小さな石仏や道標がひっそりと置かれていて、あのときは深い雪の下にあったのだなあと思うと、それもいとおしく、ひとつひとつ手を合わせたくなりました。

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さて、念願の石段です。
樹齢350~500年という杉並が続く中を延々と登ります。
石段の写真をお留守番の牛にメールしたら、「出羽のヘッドマークだ!」という返信がきました。
そう、今はなき急行「出羽」のヘッドマークは、この参道をデザインしたもので、とてもよく雰囲気がでているのです。
実は、牛と付き合い始めた頃、青梅の鉄道公園でそのマークに出合い、この石段をまた歩いてみたいなあという思いがよみがえったのでした。

ゆっくりゆっくり、心にしみる緑の中を登ること1時間。
途中、茶屋の展望台から緑の庄内平野を望み、芭蕉の句碑に立ち寄ってしみじみと感慨に浸り、森に響くイカルの声に耳を澄まし、などなどしていると、飽きることなく羽黒山神社に到着しました。

ただただ懐かしい神社で、心をこめて手を合わせました。
今回のお願いは、なによりこの山旅の無事と、日々の暮らしの安寧です。

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三神合祭殿の前にある鏡池。黄色いコオホネの花が咲いていました。

ここで、今回の山旅のパートナー、ゆっきーと合流です!
ゆっきーが次のバスに乗って山頂までやってくるのを待つ間、鏡池から発掘された羽黒鏡を見に博物館に入りました。
現世の願いをかなえてくれるという羽黒山神社。人々はどんな祈りをこめて鏡を池に沈めたのか。
考えるとちょっと怖くなりますが、沈められた鏡は鳥や蝶や花の文様が美しいそれはそれは優美なものです。
ひとつひとつ丁寧に見ていたらゆっきーからメールがきました。

さあ、現在の自分を見つめる時間はそろおろおしまいにして、次の山、月山に向かいましょう。

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